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MACアドレスとは?

MACアドレスは、ネットワークインターフェースがデータリンク層で使う識別子です。イーサネットやWi-Fiでは一般に48ビットのアドレスが使われ、通常は2桁の16進数を6組並べて表示します。このアドレスは、ローカルネットワーク上で機器同士がフレームをやり取りするのに使われます。ネットワークをまたいだ通信を支えるIPアドレスとは別物です。

MACアドレスが使われる場面

ローカルのイーサネットやWi-Fiのセグメントでは、スイッチやアクセスポイントがデータリンク層のアドレスを使ってフレームを届けます。ルーターは受け取ったフレームから中身のパケットを取り出し、次のリンク用の新しいフレームに入れ直します。そのため、インターネット上のWebサイトが通常のWebリクエストを通じて訪問者のMACアドレスを受け取ることは、普通はありません。サイトから見えるのは、接続元のIPアドレスなどのネットワーク層の情報です。

1台の機器に複数のネットワークインターフェースがあれば、MACアドレスも複数あります。仮想アダプターやコンテナが独自のアドレスを持つこともあります。従来、ハードウェアメーカーは登録済みのプレフィックスを使って多数のアドレスを割り当ててきましたが、プレフィックスから機器の利用者や現在の物理的な場所を確実に特定することはできません。

ランダム化とプライバシー

スマートフォンやノートパソコンは、特にネットワークのスキャン中や個々のネットワークへの接続時に、ランダム化された、あるいはプライベートなWi-Fiアドレスを使うことがあります。これにより、ネットワークをまたいだ受動的な追跡が難しくなります。ネットワークが機器を認識できるように、保存済みの1つのネットワークに対しては同じアドレスがしばらく使われ続けることもあります。動作は機器や設定によって異なります。観測されたアドレスが、どれも工場出荷時から変わらないインターフェース固有のものだとは限りません。

MACアドレスの許可リストを使っているネットワークもありますが、アドレスはローカルリンク上で観測でき、なりすますことも可能です。そのため許可リストは便宜的な管理手段にすぎず、強固な認証にはなりません。実際のアクセス制御には、最新のWi-Fi暗号化と適切なアクセスポリシーを使いましょう。

MACアドレスとIPアドレスの違い

MACアドレスは特定のデータリンク層のインターフェースや仮想インターフェースに属し、IPアドレスはネットワーク層での通信のために割り当てられます。どちらも変わることがあります。家庭用ルーターはローカルのIPアドレスを動的に割り当てることが多く、パブリックIPはNATによって多数の機器で共有されていることがあります。どちらの識別子も、それだけで利用者の身元を証明するものではありません。

インターフェースを確認するには、OSのネットワーク設定か、信頼できるコマンドラインツールを使います。家庭のネットワークのトラブルを調べる場合は、どのインターフェースが接続されているか、ランダム化されたアドレスが有効になっているかを記録しておきましょう。ルーターのリーステーブルと見比べるのは、許可を得たうえで行ってください。そこに表示される名前やアドレスは古くなっていることがあります。

MACアドレスが重要になる場面

MACアドレスが重要になるのは、ローカルの接続性を診断するとき、アクセスポイントのクライアント一覧で機器を特定するとき、プライバシー設定の変更後にネットワークの予約設定が効かなくなった理由を調べるときなどです。インターネット上の経路はMACアドレスからはわかりません。外部との接続に問題がある場合は、DNS、IPアドレス、ルーティングをそれぞれ切り分けて調べましょう。

ARPとIPv6の近隣探索

ローカルのIPv4リンクでは、ARPが次ホップのIPアドレスとデータリンク層のアドレスを対応付けます。IPv6では、代わりにICMPv6上の近隣探索(Neighbor Discovery)が使われます。これらはローカルリンク内の仕組みであり、MACアドレスから世界中の機器の場所を突き止める方法ではありません。ARPと近隣探索の記事もご覧ください。